こんにちは、院長の安藤です。
膝の痛みで来られる方に、私がよくお聞きする質問があります。「その痛み、いつから、どんなときに感じますか?」と。
すると多くの方が、こう答えます。「いつの間にか、気づいたら階段の下りがつらくなっていて」「正座は、もう何年もしていません」。そして最後に、たいていこう付け加えます。——「まあ、歳ですかね」。
今日はこの「歳ですかね」について、少し違う見方をお伝えしたいと思います。膝の痛みは、確かに年齢と関係します。でも「歳だから治らない」わけではありません。ここを分けて考えられると、膝との付き合い方がずいぶん変わってきます。
膝は、自分では動きを決められない関節です
意外に思われるかもしれませんが、膝という関節は、上下をほかの関節に挟まれた「中間管理職」のような立場にあります。
上には股関節、下には足首。歩く・立つ・しゃがむといった動作は、本来この3つが役割分担してこなしています。ところが、股関節が硬くなったり、足首の動きが悪くなったりすると、そのしわ寄せが真ん中の膝に集まってくるんです。
だから「膝が痛い」という方の体を診ると、原因が膝そのものではなく、お尻や太もも、足首のほうに隠れていることが少なくありません。膝は「痛みを訴えている場所」であって、「痛みの出どころ」とは限らない——これが、膝の痛みを考えるうえでとても大切な視点です。
膝の痛み、大きく分けると2つの傾向がある
そのうえで、来院される方の膝の痛みは、大きく次の2つのどちらかに傾いていることが多いです。
| 使いすぎ型 | 加齢型(変形性膝関節症) | |
|---|---|---|
| 多い年代 | 10〜50代(運動をする方) | 50代以降 |
| 痛みの出方 | 運動後や特定の動作でズキッと | 徐々に、慢性的に |
| 目立つ症状 | お皿の下や外側が痛む | 朝のこわばり・正座や階段がつらい |
| 本当の原因 | 負荷のかけすぎ・使い方の癖 | 軟骨のすり減り+筋力低下 |
実際には両方が絡み合っていることも多いのですが、「自分はどちらの傾向が強いか」を知っておくと、次にお話しするセルフケアの方向を間違えずに済みます。
「歳のせい」の正体は、実は「筋力」かもしれません
加齢型の膝の痛みというと、「軟骨がすり減っているから」と説明されることが多いですよね。確かに軟骨は歳とともに少しずつ減っていきます。でも、ここでひとつ知っておいてほしいことがあります。
軟骨がすり減っている人が、全員痛いわけではないんです。
レントゲンで同じくらい軟骨が減っていても、痛みがまったくない方もいれば、強く痛む方もいます。この差を生む大きな要因のひとつが、膝を支える筋肉——特に太ももの前側にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の力です。
大腿四頭筋は、いわば膝に生まれつき備わったサポーター。この筋肉がしっかり働いていれば、関節にかかる衝撃を吸収してくれます。逆にここが衰えると、そのぶん関節がじかに負担を受けて、痛みが出やすくなる。
つまり「歳のせい」の正体は、軟骨そのものよりも「膝を支える力が落ちたこと」であるケースが多いのです。そして筋力は、いくつになっても取り戻せます。ここが、私が「歳だからと諦めないでください」とお伝えする理由です。
いちばんこわいのは「痛いから動かさない」
膝が痛むと、どうしても動かすのが怖くなります。かばって、安静にして、外出も減る。お気持ちはとてもよく分かります。
でも、動かさないでいると膝を支える筋肉はさらに衰えます。すると関節への負担が増えて、もっと痛くなる。痛いからまた動かさない——この悪循環に入ってしまうと、膝はどんどん弱っていきます。
だからこそ、「痛みが強い時期はしっかり休める」「落ち着いてきたら少しずつ動かす」というメリハリが大事になります。次のセルフケアも、この考え方が土台です。
自宅でできるセルフケア
痛みが強いとき:冷やして休める
運動後や動かした後にズキズキ痛むときは、炎症が起きているサインです。無理に動かさず、アイシングで冷やして安静にしましょう。この時期に頑張って動かすのは逆効果です。
落ち着いてきたら:太ももを鍛える・温める
痛みが引いてきたら、膝のサポーターである大腿四頭筋を、無理のない範囲で鍛えていきます。おすすめは、膝に負担をかけずにできるこの運動です。
- 椅子に浅く腰かけ、片脚をゆっくり水平に伸ばして5秒キープ→下ろす。左右10回ずつ
- お風呂でしっかり温めて、膝まわりの血流を促す
- 正座や深いしゃがみ込みなど、膝に負担の大きい動作は控える
- 体重が増えると膝への負担も比例して増えます。少しの減量でも膝はラクになります
痛みが強いときは冷やす、落ち着いたら温めて動かす——このメリハリは、五十肩など他の関節の不調とも共通する考え方です。
こんな膝の痛みは、まず整形外科へ
次のような場合は、当院でのケアの前に整形外科での検査をおすすめします。
- 転倒やスポーツ中の衝突など、はっきりしたケガのあとから痛む
- 膝が明らかに腫れている、熱を持っている、水が溜まった感じがある
- 膝が完全に伸びない・曲がらない、動作中に引っかかる
- 安静にしていても痛みが強く、日に日に悪化している
骨や靭帯の状態を画像で確認したうえで、当院でのケアと並行していくのが安全です。
当院での膝の痛みへのアプローチ
あんどう鍼灸院・整骨院では、冒頭でお話しした「膝は中間関節」という視点から、膝そのものだけでなく股関節・足首の動き、お尻や太ももの筋力、姿勢のバランスまで含めて全体を見立てます。
- 膝関節まわりの緊張をゆるめ、血流を促す施術
- 大腿四頭筋やお尻まわりの筋力低下へのアプローチ
- 股関節・足首の硬さや、歩き方・立ち方の癖の確認とアドバイス
膝の痛みについて、くわしくはこちらもご覧ください。
→ 膝の痛みについて
川崎・鶴見で膝の痛みにお悩みの方へ
あんどう鍼灸院・整骨院は、京急八丁畷駅から徒歩6分、京急鶴見市場駅から徒歩8分の場所にあります。
「歳だから仕方ない」と諦めていた膝の痛みも、原因を見極めて筋力や体の使い方にアプローチすることで、階段や正座がラクになっていくことは十分にあります。まずは今の状態を一緒に見てみましょう。お気軽にご相談ください。

