反り腰は9割が勘違い?本当の原因は「骨盤の位置ズレ」です【専門家解説】

「本当の反り腰と見せかけの反り腰(スウェイバック)の比較写真」
目次

反り腰だと思っていたあなたへ

「わたし、反り腰だから腰が痛いんだと思ってました。」

治療に来られる方の多くが、最初にそうお話しされます。
でも実は、“反り腰のように見えているだけ”というケースがとても多いんです。

あなたの腰が痛いのは、
姿勢が悪いからでも、体がゆがんでいるからでもありません。

むしろ、
体が一生懸命バランスを取ろうとして頑張っている結果なんです。

この誤解があると、

  • 反り腰を直そうとして胸を張る
  • 腰を反らすストレッチを頑張る
  • 腹筋だけ鍛える

といった間違った対処につながり、
かえって腰痛が強くなることもあります。

この記事では、

  • なぜ反り腰に「見える」のか
  • 本当の原因はどこにあるのか
  • 今日からできるシンプルなセルフケア

を、とても分かりやすくお伝えします。

読み終わるころには
「そういうことだったのか!」とスッと納得できて、
今より身体がラクに感じられるはずです。


反り腰だと思い込む人が多い理由

SNSでも「反り腰ストレッチ」がよく出てくるため、
腰が反って見えると「私は反り腰なんだ」と思い込みがちです。

でも実際は、
本当の意味での反り腰の人は全体の1〜2割ほど。

残りの多くは、
反り腰に見えているだけの姿勢です。


腰が反って見える=反り腰ではない本当の理由

反り腰のように見える姿勢には3種類あり、
本当に腰が反っているのは一部だけ。
多くの方は“スウェイバック”による見せかけの反り腰です。

「反り腰の写真
反り腰の姿勢|腰椎前弯が強いタイプの例」
スウェイバック(軽め)

「スウェイバック軽度|一見まっすぐだが骨盤が前にズレた姿勢」
スウェイバック(強め)

「スウェイバック姿勢|骨盤前方移動と上半身後傾の例」

📸 1枚目 反り腰(本物の反り腰)

腰椎のカーブが強く、骨盤が前傾しているタイプ。
腰そのものが反りすぎて負担がかかっている「本来の反り腰」。
上半身の傾きは少なく、重心は前に寄りやすい。


📸 2枚目 スウェイバック(軽度)=“見せかけの反り腰”

一見まっすぐ立っているように見えるが、骨盤が前にズレているため
腰が“反って見える”タイプ。
本当は腰が反っているのではなく、身体がバランスを取るための補正姿勢。


📸 3枚目 スウェイバック(重度)=“最も負担が大きいパターン”

骨盤が大きく前に滑り、上半身は後ろに倒れている状態。
腰が過剰に反って見えるうえに、背中・首にも負担が集中しやすい。
反り腰に見えるが、原因は「腰」ではなく骨盤位置と全体バランスの崩れ。

腰が反って見えるのは、
原因ではなく “補正の結果” です。

腰そのものが悪いのではなく、
身体がバランスを取ろうとして仕方なく反っているだけ。

骨盤が前にズレる

立っている時に骨盤が少し前に滑ることがあります。
これは誰にでも無意識に起こることです。

上半身が後ろへ倒れてバランスを取る

骨盤が前にズレると重心も前へ。
倒れないよう、身体は腰や背中を使って上半身を後ろへ引き戻します。

結果として腰だけが反って見える

こうして補正が重なり、
本当は反り腰でないのに 反り腰のように見える姿勢 が出来上がります。


この記事で一番大事なこと

腰が反って見えるのは「腰の問題」ではなく、
骨盤の位置がズレた結果、腰が頑張らされているだけ。

ここを理解できると、
対処法はガラッと変わります。


反り腰っぽい姿勢が腰痛につながる理由

本来は骨盤まわりやお腹、お尻など複数の筋肉で分担するはずの支えを、
骨盤がズレるせいで 腰だけが一人で背負う形 になります。

その結果、

  • 朝の腰痛
  • 長く立つと腰が重い
  • ストレッチしても改善しない

といった症状が出やすくなります。

特に寒い季節は筋肉が固まりやすく、痛みが悪化しやすい特徴があります。


やりがちなNG対処法

ついやってしまうけれど、逆効果になりやすい行動です。

  • 胸を張って姿勢を良くしようとする
  • 腰を反らすストレッチ
  • 腹筋だけを頑張る

どれも骨盤のズレにはアプローチできず、痛みを長引かせます。


今日からできる簡単セルフケア

では、どうすれば良いのか?

結論はとてもシンプルです。

息を吐き切って、お腹を薄くする。
これだけでOKです。

やり方

  1. 力を抜いて自然に立つ
  2. 鼻からゆっくり8秒かけて息を吐く
  3. 吐き切ると、お腹が自然に薄くなる
  4. そのまま5秒キープ

このとき、腰がふっと軽くなる人がとても多いです。

なぜ効くの?

息を吐くことで、お腹の深い筋肉が自然に働き、
骨盤が安定するから。

すると腰は無理に反る必要がなくなり、
姿勢の補正がほどけていきます。

ポイント

  • お腹をへこませようとしない(自然に薄くなるのが正解)
  • 胸を張らない
  • 力まない
  • 1日3回、30秒で十分

まとめ:見るべきは「腰」ではなく「骨盤の位置」

反り腰だと思っていた姿勢が、
実は 骨盤の位置ズレが作った補正姿勢 だった。

これは臨床でも非常によく見られるケースです。

腰だけをなんとかしようとするのではなく、
身体がどうバランスを取っているかに目を向けてあげること。

違和感が続く時は、
身体からの「無理しないで」のサインかもしれません。

そんな時は少し休んであげてくださいね。


筆者プロフィール

柔道整復師・鍼灸師として15年以上、
肩こり・首の痛み・疲労感・姿勢の悩み・なんとなくの不調など、
幅広い症状に対応しています。

反り腰と勘違いされやすい姿勢についても、
日々の臨床経験から分かりやすくお伝えしています。

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